2018/03/30

 

 330日(金)沖縄空手会館では新たな企画展がスタートしました。企画展を記念して、県空手振興課主催のスペシャルトークが開催された。

 登壇者は、県指定無形文化財保持者の友寄隆宏と上原武信(両上地流範士)そして東恩納盛男(剛柔流範士)の諸先生方。コーディネーターは、県空手振興課の山川哲男課長。三名の空手達人の話を聞くために、多数の空手愛好者が参加した。

 上地流の友寄先生(90歳)は、子供のころを振り返った。本部町生まれの氏は一中(1)に入学し、「最初の2学年では通常通り学べたが、3学年目からは戦争が近づき軍事関係の作業ばかりさせられた」と語った。1945323日に、鉄血勤皇隊に入るための押印を親からもらうために今帰仁村まで戻ったが、結局本島南部に戻らず生き残ることができた。

 それから、アメリカでの空手指導の時のストーリーを冗談交えながら語り、「空手をやっていなかったらこんな素晴らしい経験はできなかった」と話した。

 上原先生(88歳)は、過去のことを語りながら父上原三郎の教えを語った。

 『空手は、好き嫌いをなくすための手段』。『自分との闘いである空手は、自分自身を磨き、精神を鍛えるためのものである』。

 上原先生は「行き詰ったときは、三戦の呼吸法に戻ると心が落ち着き、道が開かれる」と付け加えた。

 また、421日に除幕式が行われる上地完文先生の銅像事業を紹介し、「やればできるという諺は、空手の心」と言い、いわゆる、空手をやれば、どんな困難でも乗り越えあれると強調した。

 最後に話をした東恩納盛男先生は、「山」学校の少年時代と空手との出会いを語り振り返った。小林流を稽古していた父に連れられて空手を拝見し、後に宮城長順家に行った。それから宮城家の自宅庭道場で宮城安一先生の指導を受けるようになりました。後に、東京代々木道場での指導、全日本空手道連盟やフランス空手連盟との交流を機にそれから開かれた世界への空手指導を振り返った。小さな島、沖縄から文化的価値の高い沖縄空手のUNESCO登録の意気込みを述べ、トークショーは終了した。

 

 新企画展は330日(金)からスタートします。

 

(1)一中と名称されているのは、沖縄県立第一中学校のこと。現在の沖縄県立首里高等学校です。

 

(上記は当日配られた資料です)