2020/07/13

 

 空手と言えば沖縄!沖縄と言えば空手と我々が自負し自他共に容認されてきた空手が今やその形を変え趣をこらしてスポーツ空手として雨後の苟のように世界各国の隅々に至るまで空手道場が乱立し、新聞や雑誌に小説に或は映画にテレビによって宣伝されている今日この頃でございます。

 例えば今から四年前に東京の武道館で第一回世界空手道選手権大会が開催されましたが、世界三八ヶ国から選手が集いバトン演奏の中に手に手に各国の国旗を掲げて整列した雄壮は世界オリンピック大会の一部を想像させるに充分でありました。一昨年は同じ大会をアメリカのニューヨークで今年はフランスのパリで開催される予定になっております。そこで空手の本場本場と口にしている沖縄の空手は今のままで良いのであろうかと私達連盟の幹部は流派長会議や理事会で度々議題にして研究し続けている現状であります。

 然し乍ら武とは書いて字の通り弋を止めるものであり身を護り体を鍛り世の為人の為に役立つよう教訓を受けてきた空手でありますので飽迄も「奥妙在錬心」標語に掲げ「古きを尋ねて新しきを知る」の言葉通りもっともっと深く根強よくその真随を探究し、我等祖先の残された遺産を今後共保持してゆく為に一層の努力をおしまない者であります。単に実戦は誰が強いとか、力量は誰があるとか、演武は誰がよいとかは未だ未だ次の問題であると思っております。本日の大会はそう云う意味から若きは小学一年生から老いては七十余才の方々まで一生懸命演武を致す所存でございます。中には日浅く皆様が微苦笑される節も多々あろうかと存じますが私達の意のある処を吸みとり下さいまして最後までご観覧あらんことをお願い致します。

 

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 第7回空手道・古武術演武大会

 主催:全沖縄空手道連盟

 全沖縄空手道連盟会長 八木明徳

 会長祝辞からの抜粋