沖縄県は29年度、沖縄空手の目指すべき将来像を描く「沖縄空手振興ビジョン(仮称)」を策定している。骨子案を作成するため、各検討部会はすでに3回会議を持ち、残り2回の会議が予定されている。
一般県民に話を広めるために、三回のシンポジウムも企画されており、第一回シンポジウムが10月31日沖縄コンベンションセンターで開催され、70名が来場した。
前半、沖縄県空手振興課山川哲男課長は、沖縄空手の現状と課題の簡明な説明をした上で、これから沖縄空手の保存・継承・発展に戦略的に取り込むこととして、共通認識の共有、沖縄空手振興ビジョン(仮称)の策定、同振興ビジョンのロードマップの策定という段階を紹介した。目的は、関係者一体となった沖縄空手の振興が図れることと山川課長は強調した。会場で配られた資料はこちら。
後半、振興ビジョンの柱である「保存・継承」「普及・啓発」「振興・発展」の各検討部会長の宮城篤正氏、佐久本嗣男氏、玉那覇靖氏及び沖縄市経済文化部観光振興課課長の天願亮氏がパネルディスカッションに参加し意見を述べた。
「保存・継承」検討部会の宮城部会長は、県民にとって空手は沖縄の伝統文化と見られているかの再確認をすることが大切と話した。根本的なことを調べて、そして意識させることが大事と強調した。「空手は自分だけのためにやるのではなく、社会の為にある」という意識も育たてないといけないとも。
「普及・啓発」検討部会長の佐久本氏は、部会で検討された数点を述べた。アイデアとして挙げられたのは、流派の統一が困難な中基本分解の統一はどうか、空手大使のような各国のリーダーを選出することはどうか、学校と町道場の連携を図ること、伝統空手と競技空手の対立より連立、組織の体制強化と外部との連携強化など。
「振興・発展」検討部会の玉那覇氏は、空手に関する産業はまだ未熟で、応援して行くべきと考えている。そこで検討部会で提案・検討されている三つの柱の①免許制度を核とした品質管理、②ライセンシング(許可)による権利保護・活用、③道場経営支援・指導を紹介した。
その後佐久本氏は、様々な空手がありそれぞれのニーズに答えられる空手を活かすべき。健康空手もあれば、交流のためのものもある。そして、選手としてのキャリアができる空手、プロの道で食べていける空手もある。氏はプロの道を選び、弟子と共に一般社団法人を立ち上げ、現在理事5名、道場12か所、登録費を払うメンバー約600名で活動している。
氏は、金儲けではなく空手のプロとして、家庭を支え子供を進学させ空手指導者としていい人生を歩める環境を作っていくべきと力強く話した。
アイデアマンの玉那覇氏は、これからの様々な空手関連展開には、共同組合的な組織でやっていきたいと述べた。
最後の方に会場から様々な質問が挙げられ、教育に関する質問やコメントが多くみられた。学校の武道必須課に関して、空手を選んだ県内の中学校は80%、高校は60%。立派な「沖縄県版 学校体育における空手道指導書」もできたので、今後は県内の小学校にも空手をどう取り入れられるかのが検討課題。
次回のシンポジウムは12月19日(火)沖縄空手会館で開催されます。
沖縄本島へ向かう台風22号により、10月29日(日)に予定されていた国際通りでの「空手の日記念演武祭」は中止となりましたことを主催者よりお知らせありました。
今年11月、第一回沖縄空手国際大会のPRを図るため、沖縄県と沖縄伝統空手道振興会は、ワシントンDC、ロサンゼルスとホノルルで空手古武道の演武とセミナーを開催いたします。事前に北米大陸で行われるイベントのチラシを公開します。
ワシントンDC イベント関連チラシ(英語のみ)
LA イベント関連チラシ(英語のみ)