2021/05/31

 沖縄では「ぶし」(沖縄語で「ぶさー」)と言えば、達人のことである。武芸、唐手などのすぐれた者、あるいは大力なる者を言う。武士の転意である。(沖縄語辞典)

 「くちぶさー」は大言壮語していかにも強そうなことをいうが、実際は、口程にもない人のことだ。

 イギリスのことわざに「言うことと行うこととは別」「行ないは言葉に勝る」というのがある。やはり口だけでは何にもならない。「音が大きいが、実行はあがらない」というフランスのことわざも有り、その通りである。「くちぶさー」だけで生きていると、ついに友からも見はなされ「三寸の舌に、五尺の身を亡ぼす」(日本)ことにもなりかねない。

参考:

「沖縄のことわざ全集」

著者:仲井真 元楷

発行:1971

発行所:沖縄文教出版社 

(原文より筆者が一部加筆修正。)

 

仲井真元楷氏について

 1908年那覇市久米生まれの仲井真氏は、192315歳の時、剛柔流の開祖・宮城長順先生に師事し、1952年に、設立された空手道剛柔流振興会(会長 宮城長順)の理事長に任命される。1973年に開催された『剛柔流開祖宮城長順先生20年祭演武大会』で上半身裸の半ズボン姿で三戦を演武しました。演武はこちらの動画(4:31)でご覧になれます。

(参考:沖縄空手古武道事典)

 

2008年沖縄伝統空手道振興会の設立祝賀会で、元楷氏の子息に当たる当時の県知事・仲井眞弘多氏に同様の写真が寄贈された。

(参考:「那覇市議会史」より)

 

 仲井真元楷氏(県師範学校卒業)の公的な場での活動は、1948年2月8日、第1回那覇市議会議員に当選し、1948年9月から2年間、副議長に務めた。

 1955年1016日、選挙無効により第4回那覇市議会議員再選挙が実施され、長嶺将真先生、比嘉祐直先生と共に、再び那覇市議会議員に当選する。

 その後、多くの役職に就かれ複数の書籍を著した仲井間氏は、1973年から1981年まで、日本で唯一の「方言ニュース」番組(ラジオ沖縄)の二代目名キャスターも勤められた。