「インバウンドツーリズムを通じて、日本を元気にする」をモットーに東京で活動する「株式会社やまとごころ」は、案内センターの広報担当ミゲール・ダルーズをインタビューし、専門サイトに掲載しました。
当案内センターが作成に関わった空手特集が「ちゅらしま」2020年9月号に掲載されました。発行元のしまのや社(https://www.simanoya.com/)の了解を得て、紹介いたします。
大信館の大城信子先生とKARATE JOURNALにご協力いただきありがとうございました。
本日、沖縄県内の新聞で「沖縄空手ユネスコ登録推進協議会」の設置について広く報道されました。振興会のウェブサイトに関連のお知らせ、新垣邦男理事長の挨拶とその新聞記事が紹介されています。
沖縄空手のユネスコ登録に向けて沖縄県と振興会は、2017年度から取組を推進してきました。沖縄空手ユネスコ無形文化遺産登録検討委員会の設置(2018年)、沖縄空手ユネスコ無形文化遺産登録推進検討委員会の設置(2019年)に続き、今年度は、各分野41人で構成する「登録推進協議会」が設置された。
記者会見で佐和田空手振興課課長は、今年度で骨子案をまとめ、国の文化審議会に提出・調整を行い、沖縄の本土復帰50周年の節目に当たる2022年に国からユネスコへ提案を目指したいと説明した。
写真(右から):佐和田勇人空手振興課長、渡久地一浩県文化観光スポーツ部長、新垣邦男振興会理事長、池宮城政明振興会事務局長
沖縄空手会館オープン時の2017年3月4日から3年間、沖縄観光コンベンションビューローが指定管理者を努めていたが、2020年4月1日より、新たな共同企業体が指定管理者となった。新指定管理者である「沖縄空手振興ビジョン推進パートナーズ(略称OKP)」という共同企業体は、沖繩ツーリスト株式会社(OTS)、沖繩ビル管理株式会社、有限会社西原農園、株式会社セイカスポーツセンターで構成されている。
沖縄空手会館の指定管理事務所の所長を継ぐのは、沖縄ツーリストの取締役副社長の中村靖氏。なお、今年度から、所長は「館長」とも称されると決定した。
1960年名護市生まれの中村氏は、1985年にOTSに入社した。添乗員として30数か国を回り、長年レンタカー業にも関わってきた。今回、沖縄空手会館の館長に就任した中村氏に会館に纏わる様々な話を聞いた。
会館内のカラテカフェ「AGARI」の首里城タペストリーの前にたつ中村館長
沖縄空手会館の指定管理者になったきっかけ
OTSは、地域資源の観光化を目指しています。地域の文化を磨いて、その文化を訪れ体験する人の生き甲斐になれたらと考えていますと中村氏は説明する。その構想のもとで、OTSは、豊年祭などの伝統行事の関連ツアーを開発しています。結果として、行事が活発的になり、開催者や青年会も元気になったと中村氏は解説する。
空手は、芸能、舞踊、泡盛等と分けて語ることのできない沖縄の文化。しかし空手はある意味キーワードであり、沖縄県や沖縄の観光業界にとって「キラーコンテンツ」である。
これから沖縄空手会館は、「空手発祥の地・沖縄」の発信拠点として活用しながら、沖縄の文化全般の発信にも活用し、多くの観光客の誘致と観光への道筋を作りたいと中村館長は打ち明けた。
運営のコンセプトと重要なところ
「空手発祥の地・沖縄」の文化価値・継承と時代のニーズに合った組み合わせを基礎に、四つのテーマである「創造」「育成」「交流」「生活」で空手会館の関連事業を推進していきたいと中村館長は強調する。
また、大きな施設である空手会館において、誘導も大切だと考えている。
「来館される方々は、様々なサービスを求めています。展示室を見たい、会館を利用したい、空手について情報を得たい。いろんな要望や希望に対し、それぞれの役割を明確し、円滑な誘導を実施したい。そこで、沖縄伝統空手道振興会と沖縄空手案内センターの役割は大きい」と指摘する。
これからの指定管理についての考え
「今回の共同体の4社の内三社は、主に管理に携わることになりますが、OTSは『送客』にも努めていきます。指定管理者と旅行社の立場は違いますが、指定管理だけでは厳しい。最も大切なのは空手会館の運営」だと中村館長は指摘する。
中村館長は、「稼働率」と「健全経営」の向上を目指して空手会館を運営していくという。
空手会館はもちろん「空手発祥の地・沖縄」のシンボルで空手の本拠地。「軸はぶらせないが、幅を広げたい。そこで、県民や観光客にも足を運んでもらうことが重要」と続く。
「空手会館は、県民の生活に寄り添い、観光客にとっても重要な訪問先になることで普及・発展する」と中村館長は考える。
物理的および仮想的に国内外の空手家の本拠地として会館を位置づけながら、県民や観光客向けの様々なメニューも作って行くという。
「まもなく、会館周辺のツアーをスタートします。同時に、県内の小中高学校生の遠足の場になるように企画しています。さらに、沖縄伝統空手剛柔流池原塾の池原英樹先生による健康セミナー等も開催する予定です。その後は、観光客向けのメニューも作って行きたい」と中村館長は企画を話す。
会館に飾られているルイ・パスツール氏の言葉「準備なき者には、 チャンスは決して訪れない」を実践していく。
指定管理室で会館の運営に取り組む中村館長
後書き:中村靖しは、沖縄拳法の開祖中村茂先生(1891~1969)の孫にあたる。2代目で父の中村丈人先生(1934~)は現在も、名護市大中にある沖縄拳法「中村道場」を見守っている。
2018年からジャーナリストの柳原滋雄氏は、沖縄空手についていろんな角度で取材を行いました。第三文明社のウェブサイトに掲載されている「沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流」と表題されたこの連載の全記事は下記の様です。
注意:連載に述べられる意見等はあくまで著者や登場人物の意見であり、案内センターの意見ではありません。
[第1回] 沖縄空手の本質
[第2回] 沖縄空手界をたばねる団体 【登場空手家:喜友名朝孝氏】
[第3回] 「沖縄詣で」重ねる空手家たち(上)【登場空手家:新里勝彦氏】
[第4回] 「沖縄詣で」重ねる空手家たち(下)【登場空手家:外間哲弘氏】
[第5回] 空手普及の功労者(上)糸洲安恒
[第6回] 空手普及の功労者(下)船越義珍
[第7回] 「空手の日」が制定されるまで
[第8回] 空手の種類 競技・武術・健康
[第9回] 空手の淵源と流派
[第10回] 戦後沖縄空手界を支えた重鎮たち
[第11回] 沖縄独自の流派・上地流(上)【登場空手家:友寄隆宏氏】
[第12回] 沖縄独自の流派・上地流(中)【登場空手家:高良信徳氏、新城清秀氏】
[第13回] 沖縄独自の流派・上地流(下)【登場空手家:上原武信氏】
[第14回] 日本初の流派・剛柔流(上)
[第15回] 日本初の流派・剛柔流(下)【登場空手家:東恩納盛男氏、八木明達氏、久場良男氏】
[第16回] 第1回沖縄空手国際大会レポート
[第17回] しょうりん流① 首里地域の伝統武術「首里手」
[第18回] しょうりん流②――知花朝信の開いた小林流(上)【登場空手家:宮城驍氏】
[第19回] しょうりん流③ 知花朝信の開いた小林流(下)【登場空手家:大城功氏、松田芳正氏】
[第20回] しょうりん流④ 喜屋武朝徳の系譜 少林流【登場空手家:島袋善保氏、佐久川政信氏
[第21回] しょうりん流⑤ 首里・泊手としての松林流
[第22回] 競技分野の実績で抜きん出る劉衛流 【登場空手家:佐久本嗣男氏】
[第23回] 沖縄県空手振興課長インタビュー(上)【登場人物:山川哲男氏】
[第24回] 沖縄県空手振興課長インタビュー(下)【登場人物:山川哲男氏】
[第25回] 沖縄尚学の試み【登場人物:名城政一郎氏】
[第26回] 極真から沖縄空手に魅せられた人びと(上)「金城健一」
[第27回] 極真から沖縄空手に魅せられた人びと(中)「高久昌義」
[第28回] 極真から沖縄空手に魅せられた人びと(下)「石本誠」
[第29回] 古武道(上)沖縄で育まれた土着の武器術【登場空手家: 仲本政博氏】
[第30回] 古武道(下)地元で育まれた土着の武器術 【登場空手家:金城政和氏】
[第31回](特別編)座波心道流 日本本土に保存された知花系空手【登場空手家:座波仁吉氏、山田順也氏】
[第32回](特別編)神人武館 空手の源流・手(ティー)を求めて【登場空手家:翁長良光氏】
[第33回] 次世代を担う沖縄空手家群像(上)【登場空手家:仲本雄一氏、上間建氏、長嶺朝一郎氏】
[第34回] 次世代を担う沖縄空手家群像(中)【登場空手家:島袋善俊氏、與儀克也氏、真喜志哲雄氏】
[第35回] 次世代を担う沖縄空手家群像(下)【登場空手家:上地完尚氏、伊波光忠氏、新城孝弘氏】
[第36回] 沖縄伝統空手道振興会 新垣邦男・新理事長インタビュー
[第37回] 沖縄固有の武術「ティー」は存在したのか(上)
[第38回] 沖縄固有の武術「ティー」は存在したのか(中)【登場人物:勝連盛豊氏】
[第39回] 沖縄固有の武術「ティー」は存在したのか(下)【登場空手家:野原耕栄氏】
[第40回] 沖縄古伝武術空手 剛毅會空手道 岩﨑達也宗師インタビュー
[第41回番外編(最終回)] 番外編 空手の流派はなぜ生まれたのか
[第42回特別編①] 「空手は近世に形成された沖縄固有の武術」(沖縄空手アカデミー・田名真之館長の講演から)
[第43回特別編②] 特別編② 首里手の源流を探る【登場空手家:大城利弘氏】
[第44回特別編③] 沖縄空手案内センター ミゲール・ダルーズ